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「月」を買う
澄んだ空気の中で見上げると、「青白い月」がもの凄い自己主張をするこの季節。燃え盛る太陽とは違い、何故か心が静かに沸き立ってくる・・・。
満月の夜に殺人事件が起きたり、出産が月の満ち欠けに関係しているというのも有名な話。
科学的根拠があるものもないものも、月に関する事はまことしやかに、そしてひっそりと何かが静かに起きたり語られたりするものです。
いにしえより、「月がきれい」とお月見をする風情あるその行為の裏には、何かがあるのかも・・・などと考えてしまう程、月は私たち地球人にとって、怖いくらいに惹かれてしまう何かを持って、宇宙から冷たい表面温度でもって今夜も微笑んでいます・・・。
月を考えていたら、あるHPにたどり着きました。
「あなたも月を買いませんか?」アメリカの会社が開設しているHPで、そういえば何かで耳にした事はあったのですが、実際しっかりと見たのは初めてでした。
内容を一読したところ、「月は1エーカー(1,200坪)でネット価格2,700円」!初めは、単位の間違いかと思ったものの、何度見ても2,700円です。私の心に「!!!」と閃光が・・・。普段、セールスの電話や訪問販売の対処はうまい私ですが、今回、何故かこのHPに目が行き、「万一だまされてもいい、月を見る度にまだ見ぬ私の土地があると思うと、毎晩、月を見上げる楽しみがある。それに、安い!」と考えたわけです。
毎日、1000万円~の土地や建物の価格に囲まれている環境では、1200坪で2700円?坪単価に直すとナント2.3円弱なのです。地球上ではあり得ないこの坪単価!不動産業者の一員として、「地球外不動産(というのだそうです)」を購入してみても良いのではないか、と何につけて即決がモットーの私も、多少の時間悩みました。
そこへ、同僚T氏登場。普段から芸術やロマンを追い求める彼に話したところ、案の定目がキラッと輝き、「オレ買うっ」と言うのです。あまりの即断に「負けた」と思いつつも、一応概略を話しして納得の上、彼は数日後その会社から「月購入に関する証明書」を受け取る事になりました。しかも、行き付けの飲み屋さんで、かなりの話しのネタになった、それだけでも収穫だとニコニコなのです。
多少ズルい私は、彼の購入→証明書到着までを見届けようかな、などと思っていたのですが、飲み屋さんでの話題はともかくとして、謄本もなく何の保証もないのですが、遠い遠い宇宙で冴え冴えとした光を放つ、あの月が身近になる代金としては、満足度は高いと判断し、今週遅ればせながら購入を試みます。
セコい話になりますが、これが27000円なら買わないのです!ここがこの会社の上手なところと思いますが、まずは月の分譲地1200坪の事実上のオーナーを目指してみますか。
ところで、会社でこの話題になった時、面白い現象がありました。そこに居合わせた他の社員に「月を買うか?」の問いかけをした時、全く無関心な人・完全に疑ってかかる人・権利がないものは信じない、と言い切る人・面白いと関心は示すがそこで終わる人・・・等、十人十色でした。
「みんなロマンがないぞ!」と思いながら普段地球に住む自分を月から見下ろしたような、不思議な感覚にとらわれつつ、多分一生訪れる事のない自分の土地に思いを馳せる私です。
[2006-11-13 14:57]