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ある商売

前々回のコラムで、下世話週刊誌を読みふけった云々・・・の話をしたのですが、先日、また美容院に行き、前回と同じ行動を取った私。しかし今回は、「鏡の中の自分をよく見ながら」週刊誌にも没頭したので、ストレスなく帰宅する事ができたのです。

その女性週刊誌の中で、とても心に突き刺さった記事があり、何日か経った今も印象に残る内容をご紹介しましょう。
その記事は、ドキュメントとして特集ページとして掲載されていました。
それは「遺品整理・処理」を職業としている起業者の紹介。
家族に看取られながら安らかに人生の幕を下ろした人々ではない、非業の死(孤独死・自殺・殺人など)を遂げた人々の遺品や、死の現場を片付ける専門業者です。
例えば、誰からも知られずにひっそりと孤独に死を迎え、家族からも近所からも気づかれる事なく、それこそ無残な姿になってから発見された老人の部屋。
写真も掲載されていましたが、文字通り足の踏み場もない部屋の中、そしてよどんだ空気、遺体の跡が生々しい畳・・・・。そこはまさに「生きていた証」さえ無かったかのようです。その悲しすぎる現場を、黙々と処理・清掃するその業務は、いくら「商売」とは言え、やり切れない思いだと察するのですが、その社長は淡々とその現実を見つめつつ、依頼された業務を遂行するのです。
孤独な老人の死の現場処理を終えた社長が、「この故人は、1年365日の内いったい何日、人と話した事があるのだろうか、そう考えると胸が痛む」と言われていました。
その他、自殺や殺人といった特殊なものから、突然死により生前隠していた奇妙な趣味が露呈してしまったり、とかなりヘビーなケースばかり。
「何でもかんでも商売にする」と言えばそうかもしれませんが、この社長に仕事を依頼した事によって、心からホっとする遺族が居て、当の故人も他人とは言え手厚く処理してもらえる事で報われる、そして借りていた部屋の家主も助かる、という、大変大きな結果が生まれているのです。
起業当初は、日本では初めての業種で全く相手にされなかったのが、このような地道な業務の遂行により、信用を得て、今では各地に支社を持つまでになったようです。

また、私がこの記事を読んでいて何故か温かいものを感じたのは、きっとこの社長がギラギラとした商売魂だけではなく、大きな温かな心の持ち主だからなのではないでしょうか。「人間の死」という、重いテーマの中での商売。悲しみや驚愕や憎しみ、様々な負の感情が渦巻く中、信用を得ていく事でいつしか堂々とした1つの業種として、押し上げた功績は大きいと思うのです。
読めば、前職の運送会社では大変な努力とリーダーシップで業績を挙げていたとか。
なるほど・・・ただ、漫然と成功する事は皆無だな、と思い知らされた私です。
今後、今まで考えもつかなかったこのような商売が増えてくるかもしれません。時代はアイディアと商魂!その中に、人間が人間を重んじる・・・その気持ちが根底にあれば、その商売は、きっと成功する・・・そう思えるのでした。
こうしてみると、女性週刊誌もなかなか・・・芸能の話題だけではないのですよ、世の男性方!

[2007-02-11 16:27]

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