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日本文化の救世主

私が毎週楽しみにしている数少ない番組の中に、“情熱大陸”というのがある。
年齢や性別、ジャンルにこだわらず、今、活躍している人材?をドキュメントタッチで
紹介するもので、テレビの制作側の意図やコメントなど一切無く、ただその人なりを淡々と映し出す
ところが気に入っている。
最近はニュース番組でも、真実だけが報道されるのではなく、キャスターの主張が反映されるものも
増えてきた。
事実のみが伝えられる30分という番組は、短い時間ではあるが貴重だと思う。
(そう言えば、お笑いの青木さやかが、有名になったあかつきにどうしても出たい番組の一番に、
この番組をあげていた。)
先々週、森山開次を特集していた。
ヴェネチアで行われた世界最古の芸術祭でも注目を浴びたそうだが、「コンテンポラリーダンス」という、肉体を使って表現するダンスは、芸術的とも言えるがどこか異色にも映る。
だが、子供達の間では「かいじくんのダンス」と人気があるのだ。
理由はNHKの教育番組、“からだであそぼ”。
“にほんごであそぼ”との2本立てで、昔なら大人の世界でしか受け入れられなかったであろう、
業界の人達がたくさん出演している。
からだであそぼはケイン・コスギと3名の子供が中心だが、そこに体を使って表現する森山開次の
ダンスがあり、テンポの良い音楽に合わせて、歌舞伎の姿そのままの市川染五郎が軽やかに歌い踊る。
かと思えばこれまた情熱大陸に取り上げられた、振付家でダンサーでもある近藤良平が、自らの家族とともに不思議な内容の歌詞を唱えながらオリジナルの体操をする。
見ている子供はその不思議な踊りに魅了され、いつのまにか自然に体を動かしてしまうという訳。
出演している子供がチャレンジするコーナーでは、各スポーツの著名人に弟子入りして指導を受ける
シーンがあったり、昔懐かしいゴムとびのコーナーもある。
一方にほんごであそぼの主役はコニたんこと元相撲取りの小錦。
子供が好きそうな(ひびのこづえのデザインらしい)鮮やかな衣装をまとい、子供達と歌い、語り、踊る。百人一首が紹介され、文人が残した言葉なども語られる。
お陰で娘は「これ、カネコミスズの○○っていうのだよ」などと、教えてくれるようになった。
忘れてならないのは狂言師の野村萬斎の存在で、(別の事で有名になっている狂言師もいるが)狂言に興味の無かった大人もついついその魅力に引き込まれてしまうのだ。
大人でさえそうなのだから、順応性のある子供達からは絶大な人気を得ており、他の番組が縮小される中で、この番組は朝と夕方の両方の枠に組み込まれている。
娘の幼稚園でも2年ほど前からわらべ唄教室なるものが開設された。
番組と同じく、昔からのわらべ唄を歌ったり、だるまさんが転んだにかごめかごめ、あわぶくたった煮え立った、手遊びに鬼ごっこ。
懐かしい光景を毎週見る事が出来る。
当初は、(大学の付属幼稚園という事もあって)音楽科の教授が教えるリズム教室がとても人気があった。専門の書籍を出す程の先生が教えるとあって、教室は1日に3回分けて行われ、親と子供で教室はいっぱい!
教室でのマナーから始まり、普段は見ることの出来ない珍しい楽器に触れ、本格的な歌も聴くことが出来た。
…ところが、今年になってリズム教室は1日3回から1回になった。
わらべ唄に変更する子供が増えたのだ。
我が家でも、手頃な入室料だという事からリズムとわらべ唄と両方に籍を置いているが、娘がもっぱら楽しみと口にするのはわらべ唄教室の方になってしまった。
お陰で、今までわらべ唄教室が行われていた講堂に、参加する親子が納まらなくなってしまった!
子供とは本当に残酷だ!
大学の教授から受けるありがたい教室より、卒園児の父兄がボランティア的に行う教室の方が格段に人気がある
なんて!
苦虫をつぶしている教授の顔が浮かぶ…。
致し方ない…子供は正直なのだ。
外国への憧れや関心が深まる反面、幼児までも流行歌を歌い、大人は正しい日本語を使えないと言われる現代。
こういった子ども番組が救世主になるかも知れない!?


追伸 先日の教室でこう言われた。
   「子供のころ、あわぶくたった、煮え立った、煮えたかどうだか食べてみよ…って遊んだ?」と
   な、なんと、周りのお母さん方は知らなかったのである!
   そう、あのわらべ唄は、山形だけで通用するものだった!
   びっくりした…
   どうりで、「にほんごであそぼ」には取り上げられないはずだ。
   わらべ唄にもお国柄があるのだ。

[2007-07-05 13:18]

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