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食品偽装
今年は食品偽造のニュースの絶えない1年だった。
中でも、私にとっては老舗洋菓子店の偽造…というより次々に明らかになる
食品管理の劣悪さにはさすがにぞっとした。
長靴で歩く床に落としたものも当たり前に拾い材料として使う。
食品管理の棚を走るネズミも野放し。
消費期限の偽造や中身を偽る位は多少許せるとしても、
食べるものに対する最低限の礼儀だけは心得て欲しいと思った。
一方、創業三百年の和菓子の老舗の食品偽造もずいぶん話題になった。
私も何度か口にした事のあるこの和菓子は、余分に製造したものはすぐに冷凍保存し、
必要な時に解凍しては日付をその日にして出荷していたという。
売れ残りはあんと餅に分け、それぞれを再利用していたとも聞く。
ただただ“もったいない”それだけの理由からした事だった。
老舗の和菓子店の人気商品は、もう観光地や地元の駅にも並んでいない。
確かに消費者を裏切った事にはどちらも変わりがない。
でも、方や消費者に分からなければ何をやっても良いという考えと、捨ててしまうのは
もったいないという商品に対する愛情からとでは全然違うのではないか?
今の世の中、“もったいない”と流行りの歌にもうたわれる一方で、賞味期限や消費期限に
とらわれて無駄に捨てられていくものが多すぎる。
さて、例年間際に身近なところで手を打ってしまう我が家のクリスマスケーキ。
(いつまでもクリスマスネタで申し訳ない!)
今年はずいぶん前から吟味して、市内でも有名な洋菓子店に決めた。
この店はこの土地に引っ越してきた最初の年のクリスマスに偶然店の前を通った際、
ケーキを取りに来た人の列でびっくりした超人気店だ。
材料などを吟味し、添加物などを一切使用しないケーキ作りに定評がある。
見た目も味も市内では一番と私も思っており、今年こそはここと決めていた。
ケーキ予約受付スタート日より2日後、申込みの電話をするとすでに私の希望のケーキは
予約台数に達したため締め切られていた。
一般的にクリスマスケーキは予約日以前に作り、引き渡し日に間に合うよう解凍して売られるのは
周知の事実。
だが、ここは添加物を一切使用しないので作り置きがきかず、あくまでも顧客の希望の日、
希望時間に合わせて作られる。
ケーキと一緒に予約出来るキッシュ等も“焼き立てをお渡ししますので、受け取りの時間を明確に…”
という注意書きがされている。
本当に作りたてのクリスマスケーキなど、そう口に出来るものではない。
クリスマスパーティーまでの数週間、(プレゼントをもらう当てのない私は)それだけを楽しみに
過ごし、ようやく当日を迎えた。
予約日の夕方5時過ぎ…ケーキを取りに行くと臨時駐車場が設けられ、誘導専任のスタッフがいる程
の盛況ぶり。
店舗の外にも行列が出来ており、この日クリスマスケーキ以外は売られないこの店の行列は
全てが予約したケーキを取りに来た人の行列だった。
雪が散らつく中私も30分以上待ってようやく中に入り、ケーキを手にしたが、カウンター越しに
見える厨房では、工場さながら何十台ものクリスマスケーキとまだまだ格闘中の、たくさんの
厨房スタッフの姿が見えた。
夜、パーティーもようやく終盤になり待ちに待ったケーキの出番!
子供達の希望の生チョコレートは、生チョコと言いながらただのチョコでは無く、何種類ものクリームが
層になったこだわりの逸品。
味もさぞかし…と心躍りながら家族全員に配る…。
ところが…ケーキ大好きの娘の反応がどうも薄い。
本当に美味しい時は“美味しい!!”と目を輝かせるのに…。
しばらく黙った後に出た言葉は“ママ…何かあまり美味しくない…苦いし、ケーキなのに甘くない”
確かに、細部までこだわった味なのだが、何かが物足りない。
今流行りのケーキなのか、甘味を抑えたケーキは砂糖の入らないチョコレートと同じなのだ。
結局、例年にない位評判の悪かったこだわりのクリスマスケーキは、ほとんど子供達の口に入る事もなく、
我が家には珍しく最後まで残る結果となってしまった。
もうこの店にクリスマスケーキを頼む事は2度とないだろう。
そう、いくらこだわった材料を使ったケーキで、無添加で体に優しく作りたてであろうとも、必ずしも
美味しいとは限らない。
結局は、賞味期限や消費期限、マスコミや一般的な評判に惑わされる事なく、自分自身の感覚と味覚が
一番信用出来るという事か。
食品偽造のこの1年で、私自身が最後に身をもって知った事実である。
[2007-12-28 14:46]